運動速度はすべてこれで解決?!最強の公式紹介

みなさんこんにちは!今回は,投射系や速度を1つの公式で全部まかなう方法を紹介します!

投射系とは?

初速度を付けて物体を運動させること.初速度0の場合も一応投射の特殊な場合という捉え方で行きます.

初速度のある運動

  • 等加速度直線運動
  • 等速直線運動
  • 鉛直投げ上げ
  • 鉛直投げ下ろし
  • 水平投射
  • 斜方投射

初速度のない運動

  • 自由落下
  • 等加速度直線運動の一部
  • 等速直線運動の一部

これらが全部一つの公式で済んでしまいます!

これらの運動の共通点とは?

運動の共通点としては,

  • 等速運動と等加速度運動に分解できる
  • 等速運動と等加速度運動は別々で考えられる

等速運動と等加速度運動という2つの要素しかないので単純な式ですべて計算できます.

複雑な運動の名前がついていますが,実はすべて等速運動と等加速度運動の組み合わせなんです.

速度の分解

実際に速度や距離を求める時に「水平方向の速度と鉛直方向の速度」や「斜面方向の速度と斜面垂直方向の速度」に分けて考える必要があるので,まずは速度の分解を知る必要があります.

速度の分解のページをまだ読んでいない人はコチラ↓

力・速度の分解と合成

2020年5月9日

公式紹介

本題の公式です!多分知っている人も多いはずのあの公式です.

$$x(またはy)=\displaystyle \frac{1}{2}at^2 +v_0t$$

\(x\):移動距離(変位)
\(y\):移動距離(変位)~\(x\)と垂直方向
\(a\):加速度
\(t\):経過時間
\(v_0\):初速度

この式の詳しい説明はコチラ↓

力学の基本!速度と移動距離

2020年5月1日

使い方

速度を

  • 水平方向と鉛直方向
  • 斜面方向と斜面垂直方向

のいずれかに分解します(大概この2つのどちらか).

分解の仕方が分からない方はコチラから↓

力・速度の分解と合成

2020年5月9日

あとは分解した2つの方向それぞれにさっきの公式を当てはめるだけ.

たったのこれだけなんです.

とは言っても使い慣れないと難しいと思うので,例題を用意しました.

例題1(文字式がニガテな人向け)

例題1(文字式がニガテな人向け)

初速度3.0m/sで物体が右向きに水平投射されたとき,2.0秒経過したときの物体の\(x\)方向の距離の大きさと\(y\)方向の距離の大きさを求めよ.

重力加速度を9.8m/s2,座標軸の方向を下の図のように取るものとする.

*** QuickLaTeX cannot compile formula:
  \begin{tikzpicture} \draw[->,>=stealth,very thick] (-2,0)--(2,0)node[above]{$x$}; %x軸 \draw[->,>=stealth,very thick] (0,-1)--(0,3)node[right]{$y$}; %y軸 \draw (0,0)node[below right]{O}; %原点 \end{tikzpicture} 

*** Error message:
Error: Cannot create svg file
解答

水平投射なので,速度成分を水平成分\(v_x\)と鉛直成分\(v_y\)に分けます. まずは\(v_x\)について考えます.

水平方向には加速度が掛かっていないので\(a_x=0\),水平方向の初速度=3m/sです.

経過時間\(t=2\)を含め,さっきの公式に代入すると,

$$x=\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 0 \cdot 2.0^2 +3.0 \cdot 2.0$$

$$=6.0$$

よって,\(x\)方向の変位は6.0mになります.

続いて,\(y\)方向の変位を求めます.

鉛直方向には重力加速度が働いています.向きも考慮すると,鉛直方向に働く加速度は\(a=-9.8\)m/s2になります.

鉛直方向の初速度=0,経過時間\(t=2.0\)を含めてさっきの公式に代入すると,

$$y=\displaystyle \frac{1}{2}(-9.8) \cdot 2.0^2 +0 \cdot 2.0$$

$$=-49.8 \simeq -50$$

よって,\(y\)方向の距離の大きさは50mになります.

有効数字は2桁です.距離の大きさを聞かれているので絶対値を付けることを忘れずに
[/su_spoiler]

例題1(文字式Ver.)

初速度\(v_0\)[m/s]で物体が右向きに水平投射されたとき,\(t\)[s]経過したときの物体の\(x\)方向の変位の大きさと\(y\)方向の変位の大きさを求めよ.

物体が水平投射運動を始めた点を原点とし,重力加速度を\(g\)[m/s2],座標軸の方向を下の図のように取るものとする.

Rendered by QuickLaTeX.com

解答

まずは物体の運動を水平方向と鉛直方向に分解します.

水平方向の運動について考えます.

水平方向には加速度がないので,公式の\(a=0\)になります.

初速度\(v_0\)[m/s],経過時間\(t\)[s]も含めて代入すると,

$$x=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot 0 \cdot t^2 +v_0t$$

$$=v_0t$$

よって,水平方向の移動距離\(x\)の大きさは

$$v_0t[m]$$

になります.

続いて鉛直方向.

鉛直方向には加速度\(a=-g\)[m/s2]が働いています.一方,鉛直方向の初速度は0なので,経過時間=\(t\)を含めて公式に代入すると,

$$y=\displaystyle \frac{1}{2}(-g)t^2 +0 \cdot t$$

$$=-\displaystyle \frac{1}{2}gt^2$$

聞かれているのは距離の大きさなので,鉛直方向の答えは

$$=\displaystyle \frac{1}{2}gt^2$$

になります.

そのまますぎてちょっと迷ったかもしれませんね.

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