今回はドブロイ波長の公式と使われ方を扱っていきます.
ドブロイ波長とは?
力学ですでに学習した通り,運動している物体は一般に
$$p=mv$$
(m=質量,v=速度)の運動量を持ちます.運動量を持つ物体は,同時に波としての性質も併せ持つという仮説が立てられました.波というからにはもちろん「波長」があります.運動量と結び付けられたこの波長のことを「ドブロイ波長」と呼んでいます.通称物質波とも.
$$λ=\frac{h}{p}=\frac{h}{mv}$$
光子の運動量を一般化したものなので,光子の運動量の公式とほとんど同じです.光子の運動量の公式はコチラ↓
このように,波の性質と粒子の性質の両方を同時に持ち合わせることを「粒子と波動の二重性」と呼びます.
このように,粒子の世界と波の世界の架け橋を担ってくれるのが「ドブロイ波長の公式」です.
それでは,今回のまとめです.
- 物質は同時に波としての性質も持ち合わせる.この時の波長が「ドブロイ波長」.
- ドブロイ波長:\(λ=\frac{h}{p}=\frac{h}{mv}\)
- 粒子と波の両方の性質を併せ持つことを「粒子と波動の二重性」と呼ぶ.
以下蛇足・大学の内容含↓
粒子なのか波なのかよくわかんない?そりゃ当たり前です.そんなパッとわかる人はそんなにいません.
今までは基本的に物体(粒子)の変位を考える問題として力学(ニュートン力学)をやってきました.しかし,粒子が小さくなるにつれてニュートン力学が適用できないような特殊な現象が多発するようになってきます.
これを解決しようとして「基本的に波である」という前提で進んでいくのが「量子力学」.量子力学については,大学に入って化学系や量子物理系に進んだ人は詳しく学習することになります.
最後に,光の二重性について実験したサイトがありましたので紹介します.特に最後の動画は個人的にめちゃくちゃ面白かったです.
https://photonterrace.net/ja/photon/duality/
量子力学については深く考えるほど沼っていく分野なので,「こういう世界もあるんだぁ」くらいに考えておいたほうがいいでしょう.
この二重性から発展していく形で,「不確定性原理」や「シュレディンガー方程式」が生まれていきました.
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