原子の構造はいろいろなものが提案されましたが,今回はラザフォードの原子模型が提案されるまでの実験過程を含めて探っていきます.
原子の構造
すべての原子は電子を持っているという考えはすでにあった時代の話です.原子は電子を持っているのに電気的に中性なため,電子以外に+の電子を持っているという考え方が主流でした,しかし,現在のような「原子核」という概念も生まれていなかったので,様々な原子の形が想像されました.
注)トムソンの原子モデルはどんなのですか??という聞かれ方はしません.絶対出ないとは言い切れませんが,物理で語彙問題を気にする前にまずは考え方を習得するのが先です.
「とりあえずこんなんあるんだなぁ」
っていう感情で読み進めてください.
トムソンの原子モデル
トムソンは,正に帯電したでっかい球殻のなかに電子がまわっている構造を提案しました.現在の形とは電子と正の電荷をもっている部分が逆の構造を持っています.
こちらの記事でわかりやすく例えられています.参考までに.
長岡の原子モデル
こちらは日本人の提唱した案.現在の形にだいぶ近づいてきました.
俗に「土星型模型」とも言われます.←覚えんくていいよ(再三)
ラザフォードの原子モデル
コチラは重要ですんで名前くらい覚えておいてもいいでしょう.
これが現在の形.
重要なのは,これがどのような実験で発見されたか.
α粒子の拡散実験
※図は簡略化しています.
原子の中で正の電気を持っている部分の構造を調べるために,α線粒子を金属箔に衝突させる実験を行いました.
高速のα線粒子(電荷2+)を周りを蛍光壁で囲った金属箔に当て,その後のα線粒子が到達した点が蛍光壁によって輝く仕組み.
実験結果は,ざっくり言うと多くのα線粒子は箔を素通りしました.しかし,一部のα線粒子は大きく曲げられ,中には90°以上曲げられたものもありました.
これは,非常に小さい場所に正電荷が集中していることを表します.もし正の電荷が原子全体に均一に分布していたら,α線粒子はだいたい同じような曲げられ方をするはずです.
しかし,小さい場所に正電荷が集中していると,ほとんどは通り抜け,小さい部分の正電荷にぶつかった粒子だけ強く曲げられます.実験結果と同じようになるわけです.
これでラザフォードの原子モデルが正しいと証明されたわけです.
実際には原子のサイズはもっともっと大きいんですが,ここは理解のために省略.
原子核のど真ん中に近ければ近いほど大きく曲げられます.最終的にα線粒子の軌道を記録していったものは2次曲線を描きます.
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